この続きは、彼の部屋で
太腿をじっと眺めたあと、ウエスト辺りへ手をすべらせる。
シーツ越しに、体のラインを上へ向かって辿っていく。
「やっ、やめて下さい……」
泣きそうになりながら懇願するも、彼の動きは止まらない。
その手が胸元を掠めたとき。
ふと、彼が体をすっと離した。
「やば。帰ってきたかも」
全然焦っていない顔で、楽しげに笑う。
「じゃあね。未来くんのお姫様」
にっこりと可愛らしく手を振り、部屋を出ていく。
──数分後、彼が部屋に戻ってきた。
「もしかして。誰か来た?」
「……え」
「この匂い。真緒《まお》か……」
香水か何かの残り香を感じ取ったらしい。
不機嫌そうに唇を歪めている。
「また他の男と喋ったの?」
「……。未来君の友達だから話しても大丈夫かと思って……」
「触られた?」
「す、少しだけ」
冷たい瞳で見下ろしてきたので、私は仕方なく認める。
「茉莉恵のことを触ったあいつは、もう友達じゃないよ」