生きていこう。それがいいんだ。
「・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・・・。』
「・・・はい・・?」
『グハハ。事件自体については、
お前ら生きてる人間が一致団結して捜査すればきっと大丈夫さ。
関本はもう俺が生きてた頃に面倒見てた鼻タレ小僧じゃねぇし、
テッちゃんだって風邪が治れば更に本領発揮するだろ。』
「・・・・・・・・。」
『だから俺が心配してるのはそっちじゃねぇ。県警のあの男の事だけだ。』
「板尾警部が何かあるんですか・・?」
『テッちゃんからあいつの話は聞いたか?』
「はい。無味無臭な人だって・・。」
『テッちゃんと同等かそれ以上。とにかく板尾の頭のキレ具合はハンパねぇ。
あいつが“県警の一刑事”だった頃から何度も一緒に合同捜査をしてきたが、
必ず奴は誰よりも早く真相に辿り着く。
20年前の一件だって、
テッちゃんが暴いた灰原の存在を訴える俺たちの意見を一番に信じて、
県警と所轄の間をとりなしてくれた。』