冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

「あ…コレって…」


店頭のショーケースに並ぶ色彩豊かな和菓子の中心に
イトカが試食した新作が
”甘さ控えめで女性に人気”との謳い文句で
売られているのが目に留まった。


『数か月ぶりにもう1度食べてみたいな』と思いながら
店員を捜していたちょうどその時。


「何か気になるモノがありましたか?」


20代~30代くらいの和装した男性が
のれんを潜って表に出てきた。

姿勢良く着物を着こなし
黒髪の短髪に柔らかな表情は
とても爽やかな好青年。


「この新作を頂きたいのですが…」

「わかりました。
 少しお待ちくださいね」


男のニコッと笑った顔に
思わずドキッとしてしまうほど
彼の笑顔に魅力を感じた。


「はい、どうぞ」

「ありがとうございます。
 あの…今食べても良いです?」

「あ、はい。
 大丈夫ですよ」


許可を貰い
イトカはさっそく袋から取り出すと
一口パクリ。


「あれ…
 この前と全然違う…」

「え…」


思わず口走ってしまった感想に
男は驚いた表情を浮かべた。
< 103 / 144 >

この作品をシェア

pagetop