冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

すると社長は
スマホの手を止め
少し何かを考えた様子で口を開いた。


「そう思ったが今日はいい。
 酒の席だ。
 何かあってもいけないからな…」


その言葉の意図を
察する事が出来なかったイトカ。


「何かって…
 さすがの私も、人前でもうお酒は飲まないよ。
 西園寺さんの一件で反省したし…」


完全に社長が自分に対して
”酒癖が悪く迷惑が掛かる”と思い込んだイトカだったが。


「そうじゃない。
 例え飲まないとしても
 相手は酔った男共だ。
 酒の席で何をされるかわからない所に
 お前を連れて行きたくはない」
 
「サクマ…」


真剣な眼差しで
今まで聞いた事がなかった社長の優しさと愛情に触れ
愛する気持ちが更に強まり胸がキュンとする。


「お前に何かあれば
 こっちの心臓が保たないからな」

「ありがとう…心配してくれて」


まだ慣れない社長の優しさに
照れるばかり。


「イトカ…」


呼ばれて近付き
ゆっくりと手を引かれる。

座ったまま見上げる社長に
隣で立ったまま彼を見下ろすイトカ。


「俺の妻に
 誰も手は出させない」


フッと軽く微笑む社長に
胸が高鳴る。
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