冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

「とにかく。
 それを食って具体的な意見を聞かせろ。
 いいか、正直な感想を言えよ」


感想について強く念押しされ
『どうしてそこまで…』と疑問に思ったが
”素直に言って良い”のであれば
イトカとしては楽な話だ。

掃除を中断し手洗いうがいを済ませると
『いただきます』と早速パクリ。


「今食うのかよ…
 仕事中に、しかも社長室《ここ》で」


『お前って女は本当…』と
深い溜め息を吐きながら
完全に呆れて首を振る社長を後目《しりめ》に
イトカはすでに1つ目を食べ終わっていた。


「見た目もオシャレですし
 サイズもちょうどいいですけど…
 結構…甘すぎかな」


言いながら残った和菓子を見つめ
何か考えている様子。

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