冷たい私を溶かす春
12月が始まって、まだ数日
窓の外からは時折雪が舞っている少し暖かい教室で手に忍ばせたカイロが指先を温める

「時期外れだが皆に報告がある」

ホームルームのさ中、担任である先生が頭を掻きながら気難しい顔をする
担任の入れの言葉に教室の扉が開いた

「皆久しぶり、かな春から休んでたけど復帰出来るようになりました小原雪(おはらゆき)です
またよろしくお願いします」

ちらほら彼に対する言葉が聞こえる
入学したての頃病気で直ぐに来なくなった病弱
「あー居たね」
なんて言葉がとても可哀想に見えた

「去年の春から休学してた小原雪君が今日から復帰となりました
えー席は朝比奈の隣を使ってくれ」

隣かよ、とその言葉に嫌気がさす
私の席まで来て「よろしくね」と一言発すると
「えー…あ、はい」

「あ、こいつ苦手だわ」と直感した



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop