偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
更衣室に入ると、

「さっきのイケメンだーれ?」

と、早速、田中先輩が聞いてきた。

「先輩、おはようございます。彼は…えっと婚約者です。」

「えっ??沢ちゃん婚約者いたの?ってことは結婚するの?」

「今すぐ結婚ってわけじゃないので…。」

と濁す。

「もしかして、この前助けてもらった運命の人?」

「ええ、まぁ。」

「なに?いつの間にそんなことになってたの?!」

「えっと、何回か食事に行ったら意気投合して、勢いでそういうことに。」

私は適当に嘘を並べていることに罪悪感を感じながらも、何とか答えた。

続けて、この件に関してノープランの私は、これ以上突っ込まれるとボロが出そうなので、

「先輩、そんなことより早くしないと!」

と言ってその場を切り抜けた。
< 71 / 107 >

この作品をシェア

pagetop