ねえ、私を見て
昼下がりのオフィスには、エスプレッソが似合う。

会社には、エスプレッソマシンがあるから、午後には必ずそれを飲む習慣ができた。


「くらら。あのライターさんから、原稿あがってきたから、報酬支払って。」

「分かりました。」

私の上司兼友人の園子は、支払表を私にくれた。


私は、澤田くらら。28歳。

既婚。まだ子供はいない。


はっきり言って子供は欲しいけれど、夫は仕事で疲れたと言って、あっちの方はレス状態だ。

今はこのオフィスで、事務職をやっている。

園子はWEB記事を書く会社の社長さんで、契約しているライターさんも、そこそこ。

決していい時給ではないけれど、主婦のアルバイトにしては、うってつけの仕事だ。


「そうだ。この前入った女の子、使い物になる?」

「テストライティングの方ですか?うーん。」
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