双子の異世界・奇跡の花束
「そろそろゼノが城から戻ってくるハズだよな?」


「そうですね。馬はもう用意してある。いつでも行けます」


ゼノが城から戻ったら合流し向かう予定だ。


「団長」


「ヴォルス?なんだ」


「俺、先にいってもいいですか。北だったらネミアの町がありますよね。」


「ああ、あそこが一番近いな」


「そこで先に探します」


待っている時間が惜しい。



「確かにな。あと3時間もすれば日も落ちてくる。明るいうちの方が見つけやすい」


ヴォルスは近くに用意してあった馬に跨った。


「あ、おい」


「待てよ!」


そう遮ったのはクルーガだ。



「なんだ」


「・・・俺も行くよ」


「・・・・」


ヴォルスは相当怒っているのか、口数はいつもより更に少ない。


「行く」


「勝手にしろよ」



そう言ってヴォルスは先に行ってしまった。


団長はため息をつきクルーガの背中を押した。


「ほら、早く行け。いつまで経ってもガキのままだなお前ら」


「・・・はい!」



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