双子の異世界・奇跡の花束
「え!?お嬢ちゃん一人で来たの!?」


「はい」


ネミアの町では、ミネルアが食堂で遅い昼ご飯を食べている最中だった。


急いで馬を探し、ルアードを出たので昼時小さなパンしか食べてなかったのだ。


サラダやスープ、パンを懸命に頬張っている。



「で、どうするの?すごいねえ、見たところまだ10代じゃないか。というか、女一人は危ないよ。あんた家まで送っていってくれない?」



食堂のおばさんは心配そうに亭主に提案した。



「だ、大丈夫です!ちょっと先で知り合いと待ち合わせしてて」



もちろん嘘だ。


今まで嘘などほとんどついたことがないが、昨日でこりごりしていた。


しかし、一人で何かしらしていると、絶対に聞かれてしまう。


『お嬢ちゃん一人?』と。

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