政略結婚の甘い条件~お見合い婚のはずが、御曹司に溺愛を注がれました~
「騒がしくて悪かった」
「いえ全然。楽しい方ですね」
菜摘は騒がしいとは思わなかったが、理仁はちょっとバツが悪そうだ。
「このお店も今の方がデザインされたんですか? 設計士?」
「設計士というか、空間設計の会社を経営しているんだ。劇場だとか映画館、街づくりがメインかな」
久城がデザインした建物や場所の名前を聞き驚かされる。どれも菜摘が知っているものだったのだ。
「そんなすごい方にあの家を」
自分に言い聞かせるようにポツリと言う。
「そう。だから菜摘は早く俺を好きになれ」
理仁は二ッと口角を吊り上げながらメニュー表を広げた。
「さてと、なにを食べようか」