私は、この人の妻?

陸人とは、大学時代から仲は良かった。

その上
たまたまだが、同じ会社に入社をした。

入社してから恋人と別れて
ひどく落ち込んで仕事にも
来なくなった陸人を心配して
部屋へと様子を見に行くと·····

虫の息の陸人がいて
慌てて病院へと運んだ。

幸い症状は軽くて退院をした。

だが、食事もとらず
飲酒ばかりしている陸人に
どうすれば良いのか
わからなくなり
陸人に
「どうすれば、食事をするんだ?
このままだと命も危険なんだぞ。」
と、言うと
「海斗にわかるはずがない。
俺の辛さや苦しみが。
女性としか付き合ったことのない
海斗には。」
「ああ、わからないよ。」
「だろうな。
だから、もうほっとけ。」
「話してくれなきゃ、わからないだろう。
お前の心の中なんか
見えるものじゃないのだから。」
と、言うと
えっと、言う顔をすると···
次第に顔が崩れていき
陸人は、泣きながら話してくれた。

陸人の恋人は、無論男性だ。
陸人は、大学の時から同性愛者だと
仲間には話していた。

それを嫌がる奴は
離れて行ったが
陸人本人を気にいっている奴らは
そんなことを、まったく気にして
いなかった。

陸人の恋人は社会人だが
陸人の幼なじみの人で
陸人は、ずっと
その人の事が好きだった

だけど、兄弟みたいに仲が良かったから
余計に言えなかったようだ。

だから、陸人は幼なじみから
離れようと東京の大学に進んだ。
それなのに、その幼なじみも
転勤で東京にきて
一緒に住む事になって
なるようになったらしい

お互いにきちんと気持ちも伝えて
付き合うようになったが
陸人が社会人になると
「もう、子守りは飽きた」
と、言って部屋を出て行ったらしい。

泣き疲れて眠る陸人に
ブランケットを持ってきて
着せる。

俺も、疲れて
そのまま寝てしまった。
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