この煌めきは渡せない


相手のことをどんな言葉で語られても、私はきっと許せなかった。

でも、まっすぐに〝俺の好きな人〟なんて言われたら……。

密かに育てていた私の恋心も報われる。


「先生」

「うん?」

「いくみん」

「うん」

郁巳(いくみ)先生」

「なんだよ」

本当は私だって先生に想われたかったけれど、先生と恋ができるのはひとりしかいない。


「結婚、おめでとうございます」

ずっと言いたくて、ずっと言えなかった言葉だ。

私もね、もっと早く出逢いたかった。

でも、先生が選んだ人も、その恋も、きっと絶対に運命に決まってるから。


「おう、サンキュ」

先生が嬉しそうに笑う。その左手に光る指輪が、いつまでも美しく輝いていた。




《END》


< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:10

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

心にきみという青春を描く

総文字数/164,187

青春・友情298ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*――――――――――――――――* 先輩は不透明な絵の具を好む。 水に溶けずに、筆を置いた瞬間から 乾いていくブルーをまるで魔法のように描く そんな先輩は好む絵の具とは反対に 透明で水に弱く、触れた瞬間から 壊れてしまいそうなぐらい繊細な人だった 美術室の扉を開けたあの日から――。 私の心のキャンバスには 永遠に色褪せない、なぎさ先輩がいました。 *――――――――――――――――* 2018・8月16日/完結
ごめん。ぜんぶ、恋だった。

総文字数/75,477

恋愛(純愛)139ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
お前は知らないだろうけど 知らないままのほうがよかったかもしれないけど 俺、本当は : : + ずっとお前のことが好きだった。 2020・2月18日/完結
紫陽花が泣く頃に

総文字数/81,825

恋愛(純愛)130ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
きみがこの世界からいなくなって この町では雨がやまない まるで誰かが泣いているかのように 今日も空から降り続けている *既存作品* 「きみとなら、雨に濡れたい」のリメイクです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop