鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「立花、明日暇?」

クラスに残っていた女子達から、きゃあっと歓声が上がった。

何かあったのかな、とそちらに目をやると、彼女達と目があってしまった。

あれ? こっち見て騒いでたのかな? いつも通りありさと瀬田が賑やかだから、つい声でちゃったんだ、きっと。

「おーい立花、こっち見て。俺、聞いてるんだけど」

また、女子達が声をあげた。

「こっち見て、だって! 言われたいっ!」

とかなんとか聞こえてくるけど、みんな瀬田に見てほしいのかな。不思議。

「明日さ……」

返事してないのに口を開く瀬田に、仕方なく向き直る。

「試合があるんだ。
立花、応援来てくんない?

立花に来てもらえたら、全力以上の力でそう」
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