鈍感ちゃんと意地悪くんの出会いの物語
「うちに、昨夜作ったビーフシチューが沢山あるんだけど、それで良いならお昼にしない? あ、ありさは昨日夕食に食べたから……別のが良い?」

あたしが尋ねると、瀬田は物凄く嬉しそうな顔をして、ありさは逆に物凄く嫌そうな顔をした。

さすがコンビ。
逆なことしてるのに、ぴったり。

「ありさ? やっぱり二食たて続けにシチューは嫌だった? 違うの食べに行くか、作るかしようか?」

ありさはぶんぶんと勢い良く首を左右に振った。

「違うのよ美空。
ビーフシチューが良いって言ったのわたしだし、何食続いたって全然良いの。

何なら実家で三日カレーが続いても全然良いタイプよわたし。そーゆうんじゃなくてね……!」
「やー、美空の家で美空お手製シチューかぁ! たまんないっ!」

「ほらこれっ!
これが心配なのっ!」
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