御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
そして翌日、常識のないお嬢様の行動は続いた。

午前中の忙しい時間にアポもなしに婚約者だと言ってやってきた。昨日の今日、しかもこちらは思わせ振りな態度を取った覚えもないのに、驚きしかない。

ここでも、西園さんが対応してくれ、親父にまで連絡を入れてくれたらしい。


そして、親父から呼出が…

『コンコン』社長室の扉を叩く。

「はい」

「翔です」「ああ、入れ」

中に入ると、親父と秘書の姿。

何故かふたりとも笑っている。

「何だよ?ふたりして」

「いやぁ~厄介なお嬢様に気に入られたな」

「はぁ?笑い事じゃないぞ」険しい表情の翔。

「わかってるよ。あちらにも、抗議の連絡をしておいたよ。院長もワガママな娘に手を焼いてるらしい。こちらも、翔の嫁になる女性には良識のある女性でないとと思っているから、丁重にお断りといた」

「ああ。助かる」

「それにしても、西園さんは優秀だな」

「ああ。何もかも完璧だ」わかりやすく表情が緩む。



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