御曹司の恋の行方~地味な派遣秘書はご令嬢~
そこへ、
「お待たせ~」と悠里。

「あれ?遥ちゃんは?」

「お祖父様と少し用があるから先に行っててって」

「ちょうど良かった。俺達ビックリしたよ」

「だと思った。皆、ポカンとした顔してたもんね」とクスクス笑う悠里。

「笑い事じゃないよ」

「こっちこそ、最初に夕輝の親友って神宮寺さんを紹介された時も驚いたし、翼くんが弟って聞いて驚いた。翼くんの名字知らなかったなって初めて気づいた」

「おれも、遥が西園寺だったなんで衝撃だよ」と翼が口を挟む。

ここで翔が真剣な顔で悠里に話し掛ける。

「木下さん、俺は西園さんを本気で好きなんだ」

「…。遥は、自分の事となると全くの無自覚で、私は夕輝の親友の神宮寺さんなら大賛成ですけど、神宮寺さんが頑張らないと伝わらないと思います」

「ああ。わかってる」

「遥も、神宮寺さんに何かを感じていると思うんですが、何せ彼氏がいた事もないし、好きな人の話を聞いたこともないからなぁ。恋愛初心者なのでお手柔らかにお願いします」

翔は、遥の過去を聞いて嬉しくなる。

自分が初カレかもしれないのだから。



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