凛と相沢先生
病院を出ようとした時、高橋さんとすれ違った。
さっき聞いた話を、どーしても確かめたくなって呼び止めた。

「あのっ、高橋さんちょっといいですか?」
私の声に反応して振り返り、なに?と不思議そうな顔で近づいた。

「あの、1つ聞きたいことがあって」

「なに?」

「ゆ、相沢先生って去年の自分の誕生日に、ケーキを受け取らなかったって小耳に挟んだんですが…本当なんですか?」

高橋さんがニヤッと笑った。

「えっ、なに?伊吹さんって相沢先生のことやっぱり好きなんだー」

「いや、主治医なので、気になって」

「あっ、もしかしてケーキ渡すつもりだったとか?」

「いえ、違います」

「ふーん、でも、まぁ、それは事実だよ?俺その場にいたからねー、あっ、少し迷惑そうだったなぁ」

「えっ...」

「やっぱりあげるつもりだったんだぁ、
てかさぁ、辞めなよ医者なんて、傷つくだけだよ?」

「だから、そういうつもりじゃぁ」

「なら、俺にしときなよ?」

「エッ?!」

「なにその嫌そうな感じ」

「じゃあ、私急ぐんで帰ります」

私がそう言った直後に高橋さんは、携帯を取り出した。
画面を見て、
「はぁー、チッ」
ため息と舌打ちをした気がした。

「ねぇ、伊吹さんちょっと待って」

今度は私が呼び止められた。
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