離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「・・・じゃ明日からはコンタクト着けます…」

「コンタクト?まぁ…それもいいかもな…」

「だから、その眼鏡返して下さい…」

「返す前にもう少しキスさせてくれ…梓」

彼は甘いテノールボイスでキスをねだり、私はその声に絆されて瞳を閉じた。


二人でローソファに腰を下ろす。

雅樹さんはネクタイのノットを緩め、少しだけ寛いだ。

「夕食まで時間があるな…」

「え、あ…そうですね…」

私達はぎこちない会話を交わす。

あれだけの官能的なキスをしたんだ。
私はともかく我慢出来ても、雅樹さんの方が我慢できないだろう。

私は隣に座る彼をチラリと一瞥すると彼も私を見ていた。

互いの顔が瞳に映り込んでいた。

「・・・梓…」

「何ですか?ま、雅樹さん…」

私は急に名前を呼ばれ、声が上擦ってしまう。

「俺は君の亡くなられたご両親に顔向け出来ないな…」

「えっ?」

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