あいつの隣にいる方法
「ハナ、ご飯、食べよう。」

うん、と返事して弁当を取り出す。

教室にはもう残っている人があまりいなかったので、そのまま教室で食べることにした。

「やっと終わったね！ハナは佐々木君と一緒に勉強できなくなって寂しいかもしれないけど。」

放課後と朝はあいつが来れたときだけ一緒に勉強することが続いていたのだ。

「ないよ、そんなの。みっちゃんも山田君と一緒に勉強してたんだよね？」

「そうだけど、ハナ達みたいに毎日ではないし。」

「一緒にいる時間いっぱいあって……「美月ちゃん。」」

楽しかったでしょ、という言葉はみっちゃんを呼ぶ声で遮られた。

扉のところにいたのは桐生さんだ。

久しぶりに見たな。

「咲じゃん。どうしたの。」

名前、サキって言うんだ。名前まで可愛らしい。

「真斗君のこと見てない？」

「さぁ、教室を出て結構たつと思うから分からないな。」

「そっか。ありがとう。」

そして桐生さんは颯爽と去っていった。
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