黙って俺に守られてろ~クールな彼は過剰な庇護欲を隠しきれない~
 年齢は私と同年代の二十代半くらいだろう。
 

 彼の身体的特徴を確認し、ターゲットではないと判断する。

「ひとり? ここにははじめて来たの?」

 彼は言いながら私の腰に手をまわした。

「いえ、ひとりじゃなくて……」
 
 そう言いかけると、男の手が私の腰骨をなで上げる。
 
 思わず背筋がぴんとのび、「ひぇっ!」と声がもれた。

「ひぇ、だって。かわいいね。男に慣れてなさそうだけど、大学生?」

 大学生って……。

 二十六歳の私は、大きめの丸い目に丸い輪郭のせいで、年齢より幼く見られがちだ。

 少しでも大人っぽく見せたくて、髪を伸ばしたり少し明るめに染めたりしているけれど、無駄な努力だったようだ。

 男がこちらに顔を近づける。
 男の手は腰から下に移動し、私のおしりに触れた。

「っ……!」

 私は悲鳴を上げそうになり、唇を噛んでこらえる。

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