誰にも教えてアゲナイ!
突然、話しかけてきたと思ったら、コイツ、なかなか良い奴じゃないか〜!



「…だってさ、樹里ちゃん。好きなの選びなよっ」

「会ったばかりなのにそれはマズイですって…」



遠慮がちの樹里ちゃん。

気持ちは分からなくもないけど、上げ膳据え膳は頂かなくちゃ駄目だってば!



「このおじさんは私のお友達(今だけ)だから大丈だよ」

ニッコリと最上級の笑顔で樹里ちゃんに話しかけたが、話途中から樹里ちゃんの顔がみるみる内に引きつっていっている事に気が付いた。

「あーっ!ヤバッ!

わ、私はここで失礼しますねっ。今日は有難うございましたっ」

私の話を遮って、突然、血相変えて、走り出す樹里ちゃん。



な、何が起こったの?

話を聞く間もなく、姿が見えなくなってしまった。

樹里ちゃんの目線は真っ直ぐだった。


あっ…、あれ?

ショップの大きな窓の外には、彼の姿があった。

しかも、制服を着た女の子。

樹里ちゃんが逃げ出した理由はよく分からないけど、

何だ…



アイツ、彼女が居たんじゃん。



高校生は高校生同士がお似合いだよね、うん、そうに決まってる。

私の視線には気付かずに彼女と歩いている。

ズキンッて胸が痛む。

私と彼の関係って何だろう?



―――別に何でも無い、か…。



ただ、玄関で通い猫を拾ったような感じだもんね。

彼女が居ても、関係ない…よね?
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