誰にも教えてアゲナイ!
龍みたいに泣きながら食べようかな…?

一つでも食べたら、百合子は考え直してくれるかな?



「よしっ、俺は食べるぞっ」

「はぁ〜?今更〜?もう、無いって」

「あーいーかーわーっ!」


やっと決心出来た俺なのに…相川がいつの間にか食べていた。

思えば、年末年始も百合子はバイトで忙しくて、夜しかゆっくり話す機会もなくて…

家を出たのに、百合子が休みの日は、樹里やマリアが押しかけて来たりして…

百合子が居ない日にバイトしようかと思えば、母さんに用事頼まれて…

短い冬休みなんて、あっという間だったし…。

一緒に住んでても、百合子のベッドから、俺の布団を1メートル離す契約だったり…。

百合子が風呂に入ってる時、風呂場での着替え、身支度をしてる時は、すぐ隣のトイレも使用禁止の上、部屋から出ない事。

家には、たまには顔を出す事。(顔出さなくても、しょっちゅう押しかけられて迷惑。百合子、ごめんね…)



―――取り決めを破ったら、即、追い出される。



……でも、飯の用意は全部、百合子がやってくれる。

何にも手は出してないけど、同棲生活中。

百合子と早く、まともな同棲生活したいなぁ。



「はぁ、どうしたらブロッコリー食べれるんだろ?」

「タラシのくせに情けないよな、男じゃないよ、お前、ブロッコリー食べれないなんて…」



相川はニヤニヤしながらドヤ顔している。

相川、絶対、女の子は紹介しないからなっ、覚えとけよっ!



―――ブロッコリー。



最大の敵であり、最大の幸せの元でもありマス。
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