―――ファッション―――
―――その時、利恵ちゃんはハッと振り向くと、じわっと目元に涙を浮かべていた―――。凛は吃驚してしまい、『―――え?ど・・・どうしたの?』と問い質した。利恵ちゃんはハッと見張ると、『no thank you.』と言い、立ち去ってしまった。その後ろ姿が気になり、彼女は黙って見送った。彼女は何か悩みがあるようだが、立ち入って欲しくないようで、ある機会があったら、聞いてみる事にした。彼女はずっと見送っており、直哉は『―――どうした??』と問い質した―――。
凛は直哉に気づくと、『あ・・・ごめん・・・ちょっと、利恵ちゃんが気になって・・・』と言った。彼は『利恵ちゃん?お前の友達の?』と、問い質すと、ふっと視線を向けた。その先には、歩きずらそうな利恵ちゃんがおり、直哉は『―――そうか・・・』と呟いた。直哉は何か真面目な顔をすると、『―――まぁ・・・帰ろう・・・家族も待っているし・・・』と言ってきたから、帰る事になり、凛は『―――そう・・・ね・・・』と、口を濁した。そんな中、友情が壊れそうになったのは、誰もが予想していなかった。中村正樹と使う事になり、利恵ちゃんは正樹の彼女になり、今、凛は何も聞かされていなかった。この中村正樹が此処へ来ており、自分の父の後を継ぐ人として、この店で働く事になっていた。利恵ちゃんはそれを言えなくて、そのまま逃げて行った。
『―――ねぇ・・・今日は、何が食べたい?』
周りを見渡すと、彼氏と一緒に歩いている人々を見付け、凛は黙ったまま歩き出した―――。直哉も歩き出すと、其処には、一人の影があり、啜り泣き声が聞こえるが、直哉はそのまま歩いていく。

―――あいつ・・・

まだ・・・



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