子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
想い出の箱
石村夫妻は本当に拓郎を可愛がっていた。
毒母に育てられた私は羨ましかった。
拓郎と石村夫妻が赤の他人だなんて、未だに信じられない。


「…まさか…俺と拓郎さんが双子の兄弟だったなんて…」

他人の空似ではなかった拓郎と柊也さん。

二人から愛された私の心境は複雑だった。

「…凛香さん…貴方に渡したいモノがあるから…後で拓郎の部屋に案内するわ」

「あ、はい…」

五人でコーヒーを飲みながら拓郎の話に花を咲かせた。

グァムで拓郎が事故に遭遇しなければ、私と拓郎は『ジュテーム東京』のチャペルで挙式をして、永遠の愛を誓っていた。

石村夫妻が私の義理の父と母となり、私は拓郎の子を一人ぐらい産んでいただろう。

「そう言えば…お二人にはお子さんが一人居ると俊吾様から訊いたけど…」

「はい…五歳になる息子が居ます…名前は玲也と言います。ねっ、柊也さん」

「あぁ」

「とても頭が良さそうで、筒見社長に似て将来はイケメンなりそうなご子息ですよ…石村さん」

長谷川社長は玲也のコトを褒めちぎった。

「筒見社長に似てると言うコトは拓郎にも似てるんだな…今度は是非玲也君も同伴で遊びに来て下さい」

「あ、はい…」




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