子連れシンデレラ(2)~スパダリ社長の独占欲は極上の愛~
邂逅

~柊也side~

「ママ、おトイレから帰って来ないね」
「そうだな」

玲也は小さな目でジッとドアの方を見つめた。
「俺が見て来ます」
「あぁー頼む」

俺は黒沢に凛香を任せた。俺と玲也は広々とした病室に残された。

玲也は椅子に腰を下ろし、足をブラブラさせて気を紛らしていた。

俺もiPhoneを弄り、凛香に「LINE」を送信した。

俺の病が判明したのは六年前…

突然、仕事中に激しい頭痛が起こり、そのまま気を失った。

あの時の俺は社長に就任したばかり…

まさか、自分が死に直面した病魔に冒されているとは思いもよらなかった。

様々検査を受け、俺は『神経膠腫(グリオーマ)』のステージ4と診断された。

ステージ2で生存率は六十パーセント、ステージ3で二十二パーセント、ステージ4は僅か六パーセントだった。

手術しても、浸潤性があり、とりきれず、再発の可能性が高いとのコトだった。

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