夫婦未満ですが、子作りすることになりました
御曹司からの求婚





『あなたの言うことは正しいですが、僕とは合いません。結婚は無理です』

先月お見合いしたばかりの男性についにそう告げられた。母も呆れ、もう誰も紹介できないと(さじ)を投げられている。

最終手段だと覚悟を決めて挑んだ婚活パーティーも、先ほど見事に撃沈してきた。研究の結果では二十代前半ならどんな女性でも勝機ありと導き出されたはずなのに、私はそれでもダメだった。

「もう私、一生恋愛できないのかな……」

初めてバーという場所に入って、バーテンダーの男性までも困らせながら、なおもブツブツと人生の絶望をつぶやかなければやってられない。


春川凛子(はるかわりんこ)、二十四歳。
今春、理系最難関といわれるN大学薬学部、修士課程を卒業した。

なぜかうちは理系の研究職ばかりの家系で、父は大学教授、兄はロボット工学研究員。母もN大学の博士課程を卒業し、出産するまで製薬会社の研究員として勤めていた。

私も例にもれず、四年制薬学部卒。薬剤師ではなく研究者コースだ。てっきり私も母と同じ人生を送るかと思っていたのだが、そうはならなかった。
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