メランコリースクール
「おはよ〜!」

その言葉を聞くたびに、あたしの胸はドキッと跳ねる。だから日曜日の日暮れが好きなんだ。月曜日、君の「おはよう」が聞けるから……。でも憂鬱が半分って感じ。

「おはよう、ウィリアム」

朝早くの教室に入ると、ウィリアムはいつだって窓の外を見ながらギターを弾きながら歌を口ずさんでいる。軽音部でボーカルを担当しているだけあって、とても上手。

ウィリアムをチラリと見ながらあたしはかばんから本を取り出す。最近読み始めたお気に入りの本だ。優しいギターの音色と歌声は、まるで穏やかなカフェにいるみたいな気分になる。

「アリス、読書してるのにうるさくない?」

ウィリアムに訊ねられ、あたしは「気にしてないわよ。もうすぐ舞台発表近いんでしょ?」と言う。こんなトゲトゲした言い方しかできないなんて……。自分を思い切り殴りたい。

本を読むフリをしてウィリアムをチラリと見る。素直になれないから、こうして朝早く来てウィリアムと二人の時間を作っている。本人はきっと、何とも思っていないんだろうけど。
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