今宵、キミが砕け散る
悲しいくらいに同じなんだ

 「はいはい、芹くん、ストップストップ〜」

 佐城のその声で、美苑は私の上から退いた。

 「で、宵ちゃんわかった?自分が大丈夫じゃなかったって」

 「……」

 ムカつく。

 何がムカつくかって、弱くなっていることにすら気づかなかった自分と、……美苑にだ。

 「決定だな」

 都司はフッと口元を緩めた。

 「じゃあ、宵、これからよろしくな!」

 加賀美が手を差し出してきて、渋々それを握った。

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