今宵、キミが砕け散る
甘い匂いに誘われて

 目を開けるともう見慣れた天井があった。

 欠伸をひとつ落としてからベットを降りる。

 おぼつかない足取りで階段をゆっくりと降りていく。

 「おはよー」

 嶺緒はまだキッチンに立って朝食を作っていた。

 「おはよ。もう大丈夫か?」
 「うん。大丈夫、ありがと」

 そうか、と嶺緒は笑ってまた料理に取り掛かった。

 その間に私は、自分の腕の傷を包帯で巻いていく。

 消えるまで、2週間位か。
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