最後の一夜が授けた奇跡
扉を閉めてすぐに私は非常階段に座りこんだ。

こんな最後・・・。

律樹の言葉が頭の中でぐるぐるとまわる。

『あなたの息子の心は死にました。ただロボットのように生きながらえますが、経営にも何の感情も情熱も向けられる自信がありません。』


こうなることを避けたかったのに。
私が離れるのが遅かったから・・。

私のせいだ。

私の・・・。

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