小動物な後輩君の愛が深すぎる
明かされた真実
透瑠side



「透瑠ー、俺先に帰るね」

「おぅ。またな」



期末テストが終わった金曜日。

ホームルームが終わると、クラスメイト達が一斉に教室を後にし出した。


樹を見送り、バッグから本を取り出す。


今日の放課後、清花さんと公園で話し合う予定がある。

が、彼女はもう1時間テストがあるみたいなので、それまで時間を潰すことにした。



──キーンコーンカーンコーン……。



50分後、テスト終了のチャイムが再び鳴り響いた。

パタンと本を閉じて、先に校門へ足を運ぶ。


緊張してきた……でも、隼くんと樹から応援してもらったし、大丈夫。

待ってますって一応連絡入れておこう。



「あの……水沢さん、ですか?」

「はい?」



スマホを開いて清花さんにメッセージを送信したその時、セーラー服姿の女の子に声をかけられた。


えっ、誰……? ってか、なんで俺の名前知ってるんだ?

もしかして知り合い? それか昔同じ学校だった人?

この辺じゃ見ない制服だし……人違いしてるんじゃ?
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