小動物な後輩君の愛が深すぎる


「あ、水沢くん。こんにちは」

「こんにちは……」

「いきなりごめんね。ちょっと場所変えようか」



職員室に向かうと、廊下で海先生が待っていた。


なんで海先生?
待って待って、全然頭が追いつかないんだけど。

ここ最近、3学期に入ってからは保健室にお世話になってないし……。
何の話だ……?



「あの……俺、何かしました……?」

「いやいや。大したことじゃなくてね」



保健室に入り、恐る恐る尋ねると、「ちょっとこっち来て」と手招きされた。

なんかめちゃめちゃ笑ってない⁉ 怖いんだけど!



「水沢くん…………猫は好き?」

「は……はい……?」



え? 猫? いきなり何言い出すの?



「好きですよ。種類によりますけど……」



小さい頃、気が荒い猫に引っ掻かれて出血したことがあって、それ以来おとなしい猫にしか触れなくなったっけ。

って、思い出してる場合じゃない。



「良かった~。実はね、俺の仲良しな猫が最近元気なくって……」

「ね、猫と仲良しなんですか?」

「そうそう。よく俺のところに遊びに来てるの」
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