小動物な後輩君の愛が深すぎる
隠された恋心
透瑠side



「清花ぁー、もう少し優しく教えてくれない?」

「十分優しく教えてますけど?」



今日は午前中から、隼くんの家で3人で勉強している。

俺と清花さんは既に宿題は終わってて自主勉だけど、隼くんだけはまだ終わってないようで。



「わかりやすいけど、顔が怖いんだよ! もう少し笑顔で教えてくれよ!」

「夏休み終盤なのに、半分以上宿題が残ってる状況で笑えるわけないでしょ⁉」



眉を吊り上げて大声を上げた清花さん。

確か中学生の時にも似たようなことがあったな……。

8月最終日まで宿題残ってて、清花さんに怒られながら、半泣きでやってる隼くんの声が隣の部屋から聞こえてたっけ。

中学よりも高校の勉強のほうが難しいし、教えるのも大変そう。



「透瑠ぅー、助けてくれぇー」

「2年生の内容はわかりません、ごめんなさい」

「うぅ……透瑠が冷たい……」

「ほら次! さっさとやる!」

「あぁー! 怖いよぉー!」



……ドンマイ隼くん。
< 98 / 236 >

この作品をシェア

pagetop