危険な溺甘同居、始めます!





ガチャとリビングのドアが開き、日佳が入ってくる。


「……ごめん彼方、俺邪魔した?」


日佳が私たち二人を見てそう言うから、何言ってるんだろう……と思った。
テーブルに置きっぱなしだったスマホを取りに来たらしくて、回収すると


「じゃあ、行ってくるから」

「気をつけて行ってきてね!!」

「うん。じゃ、2人で楽しんで」


なんて言ってバタンと扉を閉めた。
楽しんで……??


「どうしたんだろう日佳……私たちどこにも行かないのに、楽しんでって…」

「俺と二人っきりでってことでしょ。日佳、気が利く」

「……2人きり…?えっ」


そんなことを口にして言われると……!!急に意識してしまうでしょ……!!


「…なんで一華顔赤いの??2人きりって言われて意識しちゃった??」

「…っ、え、な、」


なんでそんな意地悪に笑うの彼方くん……!!
彼方くんの手が私の方に伸びてきたかと思うと、優しく私の頬に触れた。




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