ブエノスアイレスに咲く花

「僕の花も、明日の朝には咲くから、
 見て帰ったらいいよ」

僕はそう言って灰皿を取りにキッチンへ向かった。

「クリスマスに姉貴が踊るんだよ、
 つきあってくれない?」

その台詞が全てだと思った。


僕の願いは相沢に完全に見透かされている。

奈津美の編んでいたものが無駄になるのかと思うと、
少し心が痛んだけれど、
そもそもそれは【ホンモノ】じゃない。

「じゃあ速達で手紙を送るよ、3人で、行こう」


そう言って戻ると、
相沢もタバコを取り出し、火をつけていた。

僕たちはその夜、
家にあるすべてのアルコールがなくなるまで飲み、
すべての煙草を吸った。

そして片付けもせずに眠りにつき、
翌朝相沢よりも早く目が覚めた僕は、
予想通り花が咲いたサボテンを見つけると、窓を開けた。

頬を刺して脳を収縮させる冷たい風を
少し部屋に招き入れてから僕は、
地球の裏側に届ける手紙を書いた。
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