誓いのstatice
次の日
私は勇樹と一緒に静岡を訪れていた
おじいちゃんも
おばあちゃんも
嬉しそうに私達2人を出迎えてくれた
ご仏壇に手を合わせ
お父さんとお母さんにも勇樹を紹介した
「初めまして水野勇樹です」
勇樹と私がご仏壇に手を合わせている時
おばあちゃんがお茶とお菓子を用意してくれた
「2人共、お茶入れたからこっちにおいで」
「お菓子もあるからみんなで食べ様じゃないか」
おばあちゃんと
おじいちゃんは
炬燵にあたりながら
私の幼少期のアルバムを見ていた
「懐かしい、勇樹も一緒にアルバム見よう!」
「うん…」
私と勇樹も炬燵にあたり
4人で写真を見る事にした
「あれ?」
生まれたての写真や誕生日の時の写真、幼稚園の時の写真や運動会の時の写真、次々と幼い私が写し出されて思い出に浸る中、一枚見覚えの無い写真に手が止まった
「何?この写真?」
その写真には黒いワンピースを着た幼い頃の私と
Tシャツに短パンを着た見ず知らずの小さな男の子が手を繋ぎながら"幸せな場所"を背景にしピースサインをして写っている写真を指差しておじいちゃん達に尋ねた
「誰、この男の子?」
「あの時は大変だったんだぞ」
おじいちゃんが写真を覗き込む様に見る
「お父さんとお母さんの一周忌を迎えて親戚で集まっている日に急に麻耶が居なくなってねぇ」
「そうなんですか?」
おじいちゃんに引き続き
おばぁちゃんがゆっくり話し始めて
勇樹も興味津々に話を聞いている
「日が暮れる時間に小僧と一緒に手を繋いで帰って来たじゃないか」
「本当にお天馬で困ったんだよ」
おじいちゃんと
おばあちゃんは
懐かしそうに話しているけど
私には全く覚えがない
「やめてー恥ずかしいッ」
私は自分のアルバムを閉じた