誓いのstatice


静岡に着いた頃には21時を過ぎ辺りは真っ暗




誰一人としていない夜の公園には
街灯に照らされたスターチが綺麗に咲き誇っていた





半年前のあの時と同じ様に私はベンチに座る




(…私達はまだ本当の意味で結ばれていなかったんだよね…)
「…優人…」



私は自然と優人の名前を口にしていた




その瞬間



後ろからふわっと誰かの腕に抱きしめられた



「麻耶ッ」




この腕の温もりと
ちょっと低いこの声は…





「優人!」




優人は笑顔で私を真っ正面から力強く抱きしめてくれた





「やっぱり!ここに来ると思った」







抱きしめられていた腕が緩まって
さっきまで笑顔だった優人が真剣な眼差しで私をみる





「俺、麻耶の事を幸せにする!俺のお嫁さんになって下さい」


優人は私の目の前に
スターチスの花束を差し出してくれた



「はい‼︎」



優人の言葉に私も頷き
スターチスの花束を受け取る




「絶対に麻耶のこと離さないから」

「私も!優人から離れない」





私はコートのポケットから
ブレスレットを取り出して優人に差し出す





優人は私の左腕に
私は優人の左腕に
ブレスレットをつけあった




「麻耶…愛してる」


「優人、私も…」




優人と私の唇は自然と重なり合った




私達はスターチスに見守られながら永遠の愛を誓った





~完~
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