言えない二人













「入学して一ヶ月だし席替えでもするかー」







担任の先生の言葉にクラス中が湧き上がる。











学生にとってはもはやイベントの一つ、席替え。












私もソワソワした。










タイスケくんの隣を狙っている女子はきっとクラスの3分の2位いるのだ。











「ももー、ねえ、私にいい考えがあるんだけど」









前の席に座っているしおが
何かを企んだ顔で後ろを振り向く













「タイスケくんともものこと、隣にしてあげる」











「え、、?」













しおの発言に私は期待した。










「せんせーい!私学級委員なので、くじ作りまーす!」















そう、しおの入っている委員会は、学級委員。













席替えのくじを工作することなど余裕なのだ。
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