こいつ、俺の嫁。ーAnother my wife storyー
「あ~ごめんなさい。私、スマホ持ってないんですよ。親が厳しくて」
もう友達にお金を渡すのがめんどくなり、その男に払っといてくださいとお金を渡して部屋を出た。
カラオケボックスを出てやっとため息が出せた。
「……高校生でスマホ持ってないのはヤバかったかな」
とにかくあの場所から消えたくてついた嘘だったけど、高校生設定だったことを忘れてた。
でももうあの人たちとも会うことないだろうし、どうでもいいか。
営業スマイルをし過ぎて表情筋が痛い。
そして何より心が疲れてる気がする。
こういう時は甘いものでも食べて帰ろうとコンビニに入る。
結局あの満杯になったジュースも飲まずに出てきちゃったし。
いつもコンビニに寄ると買ってしまうビターのアーモンドチョコと、カフェオレを手に持った。