【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

―――――


翌日。

横屋敷家には弁護士と共に朔夜さんと悠人さんも集められた。
いつかこんな日が来るのを、もしかしたら智樹さんは分かっていたのかもしれない。

遺産と横屋敷グループについて、祖父の遺言についての話があると言っていた。 そこで弁護士は信じられない言葉を口にした。

「全ての遺産と横屋敷グループの権利を、横屋敷家の次男である朔夜様と三男の悠人様に譲るというのが
春太様の遺言であります。」

朔夜さんと悠人さんは驚いていた。 その横で、智樹さんだけがいつも通り顔色も変えずに平然としていた。

まるでこの時が来るのが分かっていた様に。

幾層にも張り巡らされた水槽の中、上手く息も出来ずにもがき続けていたのは

この館に囚われ続けて、閉じ込められていたのは、私でも誰でもなく、智樹さんだった――。


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