転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
今日がアイリーシャの誕生日だからと昨日から休みを取って戻ってきているヴィクトルは、昨日は巨大な犬のぬいぐるみを持ってきた。
ルルの倍くらいはありそうな大きさのそれに噛みついたり引きずり回したりと、気に入って遊んでいた様子だったのに、今身に行ったらぽつんとぬいぐるみだけが残されていた。
「わかりました、お嬢様。私達も気をつけてみておきますね」
「繋いでおくわけにもいかないし、困ったものよね」
頬に手を当てて、アイリーシャは深々とため息をついた。
(本当、この子すぐに脱走するのよね……)
最初の脱走の時は驚いた。血相を変えて探し回った。
けれど、ルルはすぐに帰って来た。
それからはいつも気を付けているのだが、いつの間にかいなくなってしまうのだからびっくりだ。ルルの前では、鍵は役に立たないものらしい。
帰ってくるからと言って安心できるかと言えばそれはまた別問題で。
「……所長に、首輪を作ってもらったのに」
アイリーシャは、新しい首輪をしている。こんなことを、王宮魔術師に頼むのかと言われてしまいそうだが、ミカルに相談してみたのだ。
ルルの倍くらいはありそうな大きさのそれに噛みついたり引きずり回したりと、気に入って遊んでいた様子だったのに、今身に行ったらぽつんとぬいぐるみだけが残されていた。
「わかりました、お嬢様。私達も気をつけてみておきますね」
「繋いでおくわけにもいかないし、困ったものよね」
頬に手を当てて、アイリーシャは深々とため息をついた。
(本当、この子すぐに脱走するのよね……)
最初の脱走の時は驚いた。血相を変えて探し回った。
けれど、ルルはすぐに帰って来た。
それからはいつも気を付けているのだが、いつの間にかいなくなってしまうのだからびっくりだ。ルルの前では、鍵は役に立たないものらしい。
帰ってくるからと言って安心できるかと言えばそれはまた別問題で。
「……所長に、首輪を作ってもらったのに」
アイリーシャは、新しい首輪をしている。こんなことを、王宮魔術師に頼むのかと言われてしまいそうだが、ミカルに相談してみたのだ。