転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
「リーシャ、ここにいたのか。母様、リーシャを連れて行ってもいい?」
母に声をかけたのは、長男のルジェクだ。
「ええ、かまわないわ。お友達と仲良くね」
「行こう!」
右手を引いてくれるのは、次兄のノルベルトだ。そして、左手は三兄のヴィクトル。
(……お兄様達は、可愛がってくれていた……のよね)
前世では一人っ子だったから、兄達に甘やかされるのは照れくさい反面嬉しい。
少し離れたところに、兄達はアイリーシャの席を用意していた。
「リーシャ、ほら、イチゴのパイ」
「こっちには、レモンタルトがあるぞ」
「先に、挨拶だろ」
兄達は競うようにしてアイリーシャの手元に菓子を運び、なにくれとなく世話を焼いてくれる。
この場にいるのは全員兄の友人である少年達と、今後アイリーシャの友人になるであろう少女達。皆、十年、二十年後にはこの国を背負っていくことになるであろう人材だ。
「私、ミリアム。よろしくね、アイリーシャ」
最初に引き合わされたのは、ちょっぴりぽっちゃり気味の少女だ。
母に声をかけたのは、長男のルジェクだ。
「ええ、かまわないわ。お友達と仲良くね」
「行こう!」
右手を引いてくれるのは、次兄のノルベルトだ。そして、左手は三兄のヴィクトル。
(……お兄様達は、可愛がってくれていた……のよね)
前世では一人っ子だったから、兄達に甘やかされるのは照れくさい反面嬉しい。
少し離れたところに、兄達はアイリーシャの席を用意していた。
「リーシャ、ほら、イチゴのパイ」
「こっちには、レモンタルトがあるぞ」
「先に、挨拶だろ」
兄達は競うようにしてアイリーシャの手元に菓子を運び、なにくれとなく世話を焼いてくれる。
この場にいるのは全員兄の友人である少年達と、今後アイリーシャの友人になるであろう少女達。皆、十年、二十年後にはこの国を背負っていくことになるであろう人材だ。
「私、ミリアム。よろしくね、アイリーシャ」
最初に引き合わされたのは、ちょっぴりぽっちゃり気味の少女だ。