転生令嬢はご隠居生活を送りたい! 王太子殿下との婚約はご遠慮させていただきたく
ただ、自分に自信が持てるまでは近づかない――そう決めた。
だが、彼がそう決めたところで、周囲に近づく令嬢はどうしようもない。余計な期待をさせまいと冷たくあしらっていたら、"絶氷"なんて二つ名がついてしまったそうだ。
たしかに表情はあまり豊かな方ではないけれど、それ以上に雄弁に目が語る語る。
めちゃくちゃ語る。
今だって、アイリーシャを見つめる目は、とことん甘い。
(背中が、むずむずする……!)
たぶん、彼の本質は、そう冷たい人間ではないのだろう。
「どうか、俺の側にいてほしい」
「私こそ、よろしくお願いします」
今度は、逃げない。
この足でしっかりと歩いていく――そう決めた。
「ただ、私人前に出るのは遠慮したいので。とことん存在感を薄くしますけど……?」
「その時には、俺も一緒に隠れようか」
くすくすと笑ったアイリーシャは、エドアルトの肩に頭を預けた。
繋いだ手に、きゅっと力をこめてみる。同じくらいの力で握り返されて、また笑いが漏れた。
だが、彼がそう決めたところで、周囲に近づく令嬢はどうしようもない。余計な期待をさせまいと冷たくあしらっていたら、"絶氷"なんて二つ名がついてしまったそうだ。
たしかに表情はあまり豊かな方ではないけれど、それ以上に雄弁に目が語る語る。
めちゃくちゃ語る。
今だって、アイリーシャを見つめる目は、とことん甘い。
(背中が、むずむずする……!)
たぶん、彼の本質は、そう冷たい人間ではないのだろう。
「どうか、俺の側にいてほしい」
「私こそ、よろしくお願いします」
今度は、逃げない。
この足でしっかりと歩いていく――そう決めた。
「ただ、私人前に出るのは遠慮したいので。とことん存在感を薄くしますけど……?」
「その時には、俺も一緒に隠れようか」
くすくすと笑ったアイリーシャは、エドアルトの肩に頭を預けた。
繋いだ手に、きゅっと力をこめてみる。同じくらいの力で握り返されて、また笑いが漏れた。