教えて、先生



金曜日の夜。
社会人1年目の私は疲れきっていた。


慣れない仕事。
慣れないパンプス。


やっと金曜日。
ゆっくり眠れる。
シャワー浴びて、メイクを落として
もうご飯も食べずに寝てしまおう。


そんなことを考えながら
玄関の鍵を開けた私。



「優里。」


後ろから声をかけられて
びくっとした。


「こう、ちゃん。」


「ちょうどよかった、俺も今帰りなんだ。

腹減った。
飯作ってよ。」



一瞬。



たぶん一瞬だけ顔に出てしまった
否。と言う気持ちを
彼氏の康太が見逃すわけない。



ピクリと眉を上げて私を部屋に押し込んだ。




「こう、ちゃ…ん、や、めてっ、!」




かちゃん、と鍵のかかる音がしたあと。


ドンっと壁に押し付けられて自由を奪われた。




「優里…。俺、疲れてんだよ。」
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