私の執事には謎が多すぎる ー 其の一 妖の獲物になりました
厳しく注意したが、琥珀は構わず続けた。
「だってさあ、姉ちゃん美人だもん。絶対綺麗な身体してるって」
「だから、想像するなと言っている!」
聞くだけで不愉快になりペシッとその頭を叩けば、彼は呻いた。
「いって〜。尊、本気でやったなあ。でも、尊だって想像くらいするだろ?」
「くだらない」
無表情でそう返すも、そのことは自分でも考えないようにしていた。
兄妹のように育ってきたのだ。
異性としては見ない。
だが、最近彼女の着替えをすることが増え、嫌でも彼女の身体が目に入る。
少女から大人の女性へと変わっていく撫子をどう扱っていいのか戸惑いを感じていた。
「ふーん、尊にしてはムキになってない?普段、姉ちゃんには『こんなんじゃお嫁に行けませんよ』なんて言ってるくせに、姉ちゃんに近づく男をことごとく排除してるのをおいら知ってるんだよね」
急にパッと起き上がって俺をじっと見据える彼に表情を変えずに言い返した。
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