偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
「李亜は、俺が買った。
だからこれから、俺の家で暮らす。
わかったな?」

私に逃げる様子がないからか手を放し、彼はソファーにどさっと座った。

「昨晩は汗を掻いて気持ち悪いだろうが。
シャワー浴びてこい。
その間に朝食を取っておくから」

「……そう、します」

昨日に引き続き、あたまの容量はいっぱいいっぱいで、考えることを拒否していた。
素直に指示に従い、シャワーを浴びたら少しだけすっきりした。

「あの……」

浴室を出たときには彼は身支度を済ませ、ソファーに座って携帯を見ていた。

「ん?
あがったか。
昨日から思っていたが、服が地味だな。
新しいのを買おう。
が、とりあえずメシだ」
< 48 / 182 >

この作品をシェア

pagetop