オフィスラブはじまってました




「くそっ。
 遅くなったっ」
と言いながら、やがて、緒方が自転車で戻ってきた。

 まだ法衣姿のままだったので、つい、あ、ヘンタイの黒坊主さんが戻ってきた、と思ってしまう。

「とってありますよ、ホイル焼き」
と柚月がすぐに立ち上がって言いながら、ホイルを網にのせ、温め直していた。

「おお、すまんな。
 さすが気が利く。

 いい嫁になるぞ、柚月」

 ……確かに、普段から、そんじょそこらの女子より気が利いている。

 それでいて、女性っぽい感じじゃなくて、男らしいもんな、と炒飯指導のときの柚月の腕まくりをうっかり思い出してしまい、ひなとは赤くなる。

 慌てて、頭の中から追い払った。
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