オフィスラブはじまってました
秀継が帰ろうとしたとき、ちょうど澄子から秀継の携帯に電話があった。
みんなでファミレスでお茶をして帰るのでもうちょっと遅くなると言う。
それを聞いて、秀継は帰るのをやめ、バウムクーヘンを覗きに行った。
柚月は、それはいいんだが……と隣のひなとを窺う。
ひなとはステンレスの丸皿を膝に置いたまま、まだ渋い顔をしている。
どうした、ハムスター、と心の中で呼びかけながら、柚月は、もう一度訊いてみた。
「どうかしたのか、ひなと」
ひなとはバウムクーヘンの甘い匂いがしてくる焚き火台の方を見ながら、呟くように言う。
「……私、犯人がわかってしまったかもしれません」
「……待て。
なんの犯人だ」