オフィスラブはじまってました
アパートに帰ると、ちょうど夕暮れどきで、澄子が野菜を採りに畑に来ていた。
「澄子さん、ありがとうございました」
とひなとが頭を下げると、
「なんだい改まって」
と澄子は言う。
「澄子さんがおっしゃってた通り、ハッピーになりました。
……でも、私、此処、出て行きたくはないんですけどね」
と早速、庭で緒方たちと火をつけている柚月を見て、ひなとは言ったが。
澄子は、
「別に出てかなくたっていいだろう。
だがまあ、いずれ、アパートも狭くなるだろうからね。
この畑、もう全面野菜作ってるわけじゃないから。
後ろ側の土地をやるよ。
あそこに家建てな」
と言う。